休日に草刈り作業をしようと思っていたのに、天気予報を見ると雨。雑草を放置したままにはしたくないので「雨でも草刈りをやってしまおうか…」と考えたことがあるかもしれません。
しかし「雨の中で作業をしても機械は故障しないのか?」という点が気になります。雨の中作業をしている人も見かけますが本当に大丈夫なのでしょうか?
そこで雨の中で草刈り作業をしたら機械が壊れるのか、それとも壊れないのかを草刈機メーカーの人に直接聞いてみました。
\ 面倒な草刈りは業者に任せよう /
エンジン式草刈機は雨でも使える?
各メーカーの草刈機(刈払機)の取扱説明書には以下の通りの記載があります。
次のような場合は製品を使用しないでください。
・降雨時や落雷の恐れがあるとき
株式会社やまびこ/共立
降雨時や落雷のおそれがあるとき、夜間など見通しが悪いときは作業しないでください。
感電、被雷、転倒、転落など事故や重傷に至るおそれがあります。
株式会社丸山製作所
夜間および風雨のときは、見通しが悪く事故の原因になりますので作業は行わないでください。
ハスクバーナ・ゼノア株式会社
どのメーカーも雨の日には草刈機を使用をしないように注意喚起しています。エンジン式草刈機メーカーの社員にも聞いてみましたが「使わない方がよい」という見解でした。
実際には小雨程度ならば使っている人もいますし、雨に濡れたからといってすぐに故障するわけではありません。メーカーの人も「雨が原因の故障事例はあまり聞かない」と話していました。
しかし作業環境が悪い中での草刈りは危険度が増すので「事故を避けるためにも草刈機は雨の中で使わない方がよい」ということでした。
マキタの充電式草刈機は雨に強い?
マキタの充電式草刈機の取扱説明書も見てみましょう。
・充電工具、バッテリおよび充電器は、雨ざらしにしたり、湿った、 または濡れた場所で使用したり、充電したりしないでください。
・充電工具や充電器内部に水が入り、感電やバッテリが短絡(ショート) する恐れがあります。
・バッテリ内部に水が入り短絡(ショート)すると、発熱、発火、破裂の恐れがあります。
・雨上がりなど足元がすべりやすい場所、および急傾斜地では使用しないでください。またハシゴに乗っての作業や、木に登っての作業など不安定な場所では使用しないでください。転倒してけがの原因になります。
株式会社マキタ
エンジン式草刈機と比べてみると、注意のレベルが一段階高いように感じます。故障の影響に関しても充電式草刈機の方がより詳しく記載されています。
こちらもメーカーの人に聞いてみると「雨での使用は避けた方がよい」という答えです。作業の危険性が大きな理由ですが、それ以外にも「基本的に電気製品は水に弱い」という話も聞きました。小雨程度で機械が故障する事例は少ないそうですが、ショートの可能性もあるとのことです。
しかし、マキタの充電式草刈機の中には雨に強いモデルというのも存在します。それが「40Vmax充電式草刈機」シリーズです。
バッテリーの防水保護等級はIP56。この防水保護等級というのは国際的な規格であり「いかなる方向からの水の強い直接噴流によっても有害な影響を受けない」という強力なレベルです。
草刈機本体側もIPX4という防水等級を備えており「いかなる方向からの水の飛沫によっても有害な影響を受けない」という評価となっています。
もし小雨の中で草刈り作業をするならば、マキタの「40Vmax充電式草刈機」シリーズを使うのが安心です。(故障しないことを保証するものではありません)
なお、以下の機種がIPX4の防水等級を備えているモデルとなります。
マキタ充電式草刈機防水モデル
後端モータシリーズ
先端アウターロータモータシリーズ
詳しくは別記事で紹介していますので、そちらも参考にしてください。
雨の日に草刈りをしない方がよい理由
雨の日に草刈り作業をしない方が良い理由がいくつかあります。事故防止と故障の観点から説明します。
- 視界が悪く音も聞こえにくい
- 足元が滑りやすく危険
- 水分を含んだ草が草刈機の抵抗になる
視界が悪く音も聞こえにくい
雨の中では視界が悪く、音も聞こえにくくなります。雨そのものの影響もありますが、雨具のフードによって左右の視界が防がれ遮音してしまう事が大きな要因です。
こうなると草刈り作業中に人が近づいた際や、身の回りに危険がある際に気付くのが遅くなってしまいます。
足元が滑りやすく危険
雨が降ると土が柔らかくなり足元が滑りやすくなります。また刈り取った後の雑草もスリップの要因となります。高速回転する草刈機を持ったまま転倒すると大事故につながりかねません。
特に平地に比べ斜面は大変滑りやすくなっていますので、作業をしないようにしましょう。
水分を含んだ草が草刈機の抵抗になる
水分を含んだ草は重量が増え、刈り取り時の大きな負荷となります。過負荷状態で草刈機を使用し続けると機械にダメージを与えることとなります。
水に濡れる影響よりも、高負荷での連続使用の方が機械にとっては大きな故障要因になる可能性があります。
雨の中で草刈り作業をする場合は
雨の中での草刈り作業はおすすめしませんが、どうしても作業が必要な場合は以下の点を注意するようにしましょう。
視界をしっかり確保する
雨の中、レインウェアのフードを被ってしまうと左右の視界が遮られていまいます。リスクを避けるために視界は広くとりたい。
そんな時には「レインキャップ」を装着するとよいでしょう。防水の帽子に「タレ」がついており雨が首筋から侵入してくるのを防いでくれます。
斜面では作業しない
雨の日の斜面での草刈り作業はスリップの危険性があり大変危険です。できる限り避けるべきですが、どうしても草刈り必要な際には滑り止めのためのスパイクを装着するようにしましょう。靴の上から装着できるタイプが便利です。
防水&高出力の草刈機を使う
草が濡れると刈り込み時の抵抗が非常に強くなります。出力の弱い草刈機をフルパワーで使うのではなく高出力の草刈機で余裕を持って作業すれば、機械の負担が減り故障トラブルを低減することができます。
雨の日は草刈機の故障よりも安全に気をつけて
雨天でも小雨程度の雨ならば、エンジン式草刈機も充電式草刈機も故障はしにくいようです。そして防水使用の草刈機があればさらに安心です。
しかし雨中の草刈り作業は晴天時よりも事故の可能性が高まります。草刈機の故障よりも自身の安全に考慮して、作業実施の判断を行うようにしてください。