「草刈り作業を行うための機械」といえば刈払機と呼ばれる手持ち式の草刈機を想像するかもしれませんが、用途や場所に合わせた様々な機械が存在します。
その中でも広範囲の土地を最も効率的に作業できる草刈り機械が「乗用草刈機」です。今回はその乗用草刈機の特徴と選び方について徹底解説していきます。
- 休耕田の雑草管理に悩んでいる人
- 相続した空き地の管理に困っている人
- 土地の美観を保つ不動産管理者
- 太陽光発電所の管理人
- 草刈りを業務としている造園会社
- 果樹園の下草刈りを効率的に行いたい人
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乗用草刈機とは?
乗用草刈機は「乗用モア」とも呼ばれている自走式草刈機の一種です。エンジンの力で走行し作業者が機械に乗り操縦して雑草を刈ることができます。
歩行式の草刈機と違って乗用ができるので、草刈りを長時間続けても作業者の負担が少ないことが特徴です。
また時速5キロ〜7キロ程度のスピードを出しながらの作業が可能ですので、刈払機やハンマーナイフモアと比べて大きなスピードアップ化を図ることが可能です。
乗用草刈機が雑草を刈る仕組み
乗用草刈機の下部には一文字型のバーがあり、その両端に刈刃が2枚装着されています。そしてバーが高速回転することで雑草を切断する仕組みとなっています。
さらに刈刃カバーの内部で刈った後の草が攪拌され、高速回転する刈刃によって粉々に粉砕されていきます。
乗用草刈機の特徴
乗用草刈機は背丈の高い雑草を刈るのにも適しています。フロントバンパーに雑草を当てながら走行し、下部のモアデッキに草を集めて刈り込んでいきます。
刈払機で長い雑草を切断すると刈った後の草が地面に横たわり、しばらくの期間は分解されずに現場に残ります。
対して乗用草刈機は高速回転する刃によって雑草が粉砕されるので刈った跡が非常に綺麗な状態となります。
また作業スピードで比べても乗用草刈機は圧倒的な効率化をもたらします。
刈払機ならば1時間あたり300平米~400平米ほどの作業面積に対して乗用草刈機の作業面積は1時間あたり4,000平米以上のスピードで雑草を処理していくことが可能です。
種類 | 1時間の作業能力 |
---|---|
刈払機 | 300平米 (刈幅1.0m x 時速0.3kmとして) |
乗用 草刈機 | 4,000平米以上 (刈幅0.9m x 時速5.0kmとして) |
作業効率や美観面、害虫予防の観点からも広い平地ならば刈払機よりも乗用草刈機の方が圧倒的に有利だと言えます。
逆に細かい作業ならば刈払機に軍配があがります。おすすめの充電式草刈機を別記事で紹介していますので、そちらも参考にしてください。
乗用草刈機の使い方
乗用草刈機の使い方は非常に簡単です。まずは機械に座った状態でセルを回してエンジンを始動させます。次にスロットルを最大にしてエンジン回転数を上げていきます。
草を刈る現場まで走行したら、刈刃クラッチを入れて機械を前進させれば草刈り作業がスタートします。
車体下部にある刈刃が高速回転しながら雑草を刈っていきますが、くれぐれも安全面には注意してください。
乗用草刈機の刈刃は右回転で回っており、粉砕した草は主に右側から排出されていきます。また刃に当たった小石なども右側から飛散しやすくなっています。
小石は数十メートル飛ぶこともあり、車や家屋の窓ガラスを割る事故などをよく聞きます。
飛散物による事故を防ぐには、車体を右回りで走行させると良いでしょう。もし小石が飛んだとしても内側に飛散ようにするためです。
乗用草刈機は斜面で使える?
乗用草刈機は広い平地でスピーディーに雑草を刈ることを目的としているので、斜面での草刈りには適していません。斜面での利用に適していない理由は主に下記の2点が挙げられます。
斜面から滑落や転倒する可能性がある
乗用草刈機は4輪のタイヤで走行しているため、傾斜地での車体保持力が低く、斜面を滑落してしまう可能性があります。また操作のために機械への乗用が必要なため、操作する人間ごと転倒してしまう危険性もあります。
エンジンが故障する可能性がある
乗用草刈機はガソリンエンジンが搭載されており、そのエンジン内にはオイルが満たされています。これは内部のシリンダーやピストンの潤滑などを目的としていますが、傾斜地で機械が傾くとオイルがうまく循環されなくなります。
潤滑の役目をするオイルがない状態でエンジンを動かすと、高速運動する内部の金属が擦れ合い「焼き付き」という故障が起こります。
安全面と機械故障の観点から、乗用草刈機の傾斜地での使用は避けるようにしましょう。目安としては15度以上の傾斜があるところは、斜面専用の草刈機を使用するようにしてください。
乗用草刈機の主な製造メーカーは3社
乗用草刈機を生産しているメーカーはいくつかありますが、主なメーカーは下記の3社に絞られます。
株式会社オーレック
ラビットモアという名称で乗用草刈機を製造販売している福岡県のメーカーです。オーレックの商品は「共立」、「ISEKIアグリ」などからデザインが異なるOEM製品としても販売されています。
乗用草刈機のラインナップ数は国内一を誇り、現場に合わせた機種を選ぶ事が可能となっています。
株式会社アテックス
刈馬王という名称で乗用草刈機を製造販売している愛媛県のメーカーです。業界で初めてフロントサスペンションを搭載した4WD仕様の乗用草刈機は、その乗り心地が評価されています。
株式会社筑水キャニコム
草刈機まさおシリーズとして乗用草刈機を製造販売している福岡県のメーカーです。キャニコムの乗用草刈機の特徴としてはトラクターなどと同様に、刈刃の駆動をドライブシャフトで回転させている点です。
ベルトで刈刃軸を回転させるよりもパワーロスが少なく、力強く雑草を刈ることができるのが特徴の草刈機です。
乗用草刈機の選び方
乗用草刈機を選ぶ際には下記の3点のポイントをおさえることが重要です。
刈幅を確認する
どのメーカーでも刈幅800mm程度のものから、980mm程度のものがメインで販売されています。
果樹の間を通り抜けたり、通路が狭い場所を走るならば小回りの効く小型タイプを。広い場所ならば刈幅980mm前後のものを選ぶと良いでしょう。
中には刈幅が1,500mm程の幅広の乗用草刈機もありますが特定の用途のために使う機械であり、一般向きではありません。小回りも効きにくいためスタンダードなタイプをおすすめします。
機械の馬力(パワー)を確認する
もし背丈の高い雑草や密集した雑草地で作業する場合は馬力の高い乗用草刈機を選ぶ必要があります。
14馬力ほどの機種は膝丈までの雑草を刈るのには適していますが、それ以上の高さの草を刈ろうとすると雑草に対してパワー負けしてしまい、エンストが起きる場合があります。
もし1mより高い雑草や密集した雑草地の管理が必要ならば20馬力以上の機種をおすすめします。
駆動方式を確認する
平地ならば2輪駆動でも問題はありませんが、凹凸の多い場所や傾斜がある場合は4輪駆動の機種を選ぶのがよいでしょう。
地面がぬかるんでいる場所でも4輪駆動ならば走破する事ができ、スタックなどのトラブルを避ける事ができます。
操作に免許がいる?公道走行は可能?
乗用草刈機の操作自体に免許は不要です。農地や空き地などでの使用ならば免許証なしで作業をすることが可能です。
しかし乗用草刈機のほとんどは公道走行が禁止となっています。そのため普通免許証を保持していても道路を走ることはできません。
例外として小型特殊自動車に認定されており、ナンバープレートを付けて公道を走行する事ができるモデルもあります。その場合は普通免許あるいは小型特殊免許を保持していれば道路を走ることができます。
キャニコムから発売されているCMX2506(家族のまさお)はナンバープレートを取得できる小型特殊自動車です。このモデルならば免許を保持、自賠責に加入すれば公道を走行することができます。
乗用草刈機おすすめ3選
2輪駆動モデル
まず2輪駆動のおすすめはオーレック、共立から発売されているラビットモアーです。
RM831Xはコンパクトな設計。価格も安価で乗用草刈機を初めて使う人にもおすすめの機種です。
RM983Xは22馬力の高出力エンジンを搭載しており、草丈の高い密集した雑草地でも余裕で対応できるパワーを持ち合わせています。
平坦な場所であれば2輪駆動のRM983Xが最適でしょう。
4輪駆動モデル
次に4輪駆動のおすすめはキャニコムから発売されている乗用草刈機まさおCMX2202です。
パートタイム4駆式で必要な際に2輪駆動から4輪駆動に切り替えることができます。凹凸のある雑草地や悪路を走行する際にはまさおがおすすめです。
使用する場所に合わせた機械を選ぼう
雑草の状況や使用する現場の地形にあわせて刈幅や馬力、駆動方式を選択していけば、コストパフォーマンスに優れた機械選びと効率的な草刈り作業をすることができます。
もし迷われるならば、なるべく馬力の高い4駆モデルを選択すれば現場を選ぶことなく使用する事ができるはずです。
使用する場所ごとにまとめたおすすめランキング記事も参考にしてください。
手に負えない雑草地ならば専門の業者に任せるという方法もあります。こちらの記事もどうぞ。
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