「草刈機の刃を交換したいけど、種類が多すぎてどれを選べばわからない」とお客様に相談される事がよくあります。確かに初心者にとっては草刈機用の刃の違いはわかりにくいものです。
しかし間違っても「とりあえず安いのでいいか」と妥協しないように。草刈機は現場の状況に応じて刃を交換しないと真価を発揮できません。
当記事では草刈機の刃の種類と特徴を詳しく解説し、種類ごとの最強の替刃を紹介していきます。
草刈機の刃は交換が必要

草刈機の刃は消耗品です。古い刃を使い続ける人がいますが、必ず交換するようにしましょう。
刃の切れ味が悪くなると、以下のような弊害が起こります。
- 草刈り効率が悪くなる
- 燃費が悪くなる
- 危険度が高まる
切れ味が悪くなると作業時間が伸びて効率が悪くなります。機械への負荷も高まるので燃費効率も悪化してしまいます。
特に暑い時期の草刈りは時間をかけずにサクッと終わらせたいものです。ストレスなく作業を行うためにも刈刃の切れ味を意識してください。
草刈機の刃を交換するタイミング

「切れ味が悪くなったかな?」と感じたら刈刃を見てみましょう。下記の症状が刃先に見られたら交換するタイミングです。
- 刃が欠けている
- 刃先が丸くなっている
- 刃先が変形している
刃に異常があると切れ味が悪化するだけではありません。折れた刃先の破片が飛散して怪我をする事故もしばしば発生しています。(参考:国民生活センター)
目元に飛ぶと失明に至る事態にもつながりかねないので、刃のチェックは定期的に行うようにしましょう。
草刈機の刃の種類と特徴
草刈機の刃の種類は「金属刃」「チップソー」「ナイロンカッター」「樹脂刃」「ハサミ刃」の5種に分類することができます。
使用する場所や雑草の種類によって使い分けると効率の良い草刈り作業ができます。
名称 | 外観 | 特徴 |
---|---|---|
チップソー | ![]() | 刃に超硬チップが装着されており切れ味が長持ちする |
金属刃 | ![]() | 刃の耐久性は低いが研いで再利用できる |
ナイロン カッター | ![]() | キックバックがなく安全性が高い |
樹脂刃 | ![]() | 軽量で安全性が高く機械への負荷も少ない |
ハサミ刃 | ![]() | 小石の飛散が少ないので住宅近くや駐車場でも安心 |
柔らかい草が多い場所に適した刃

チップソーは柔らかい草が多い場所に適している万能タイプの替刃です。金属の刃の先端に超硬チップが埋め込まれており、切れ味が持続するのが特徴です。
価格は少し高価にはなりますが、基本の刃となるので1枚は必ず持っておきましょう。
硬い草や笹、雑木が多い場所に適した刃

硬い草や笹を刈る必要がある場合には金属刃がおすすめ。その中でも刃数が30以上ある「笹刈刃」をセレクトするとよいでしょう。刃数が多いほど雑木などへの対応力も広がります。
また、金属刃はチップソーよりも刃先の耐久性が低いものの、研ぎ直しができるのがポイント。傷んだ刃先を再研磨することで鋭さを復活させることができ、コストパフォーマンスに優れています。
小石が多い場所に適した刃

草刈機の事故で多いのが小石の飛散です。回転刃に当たった小石は驚くほど遠くまで飛んでいき、車のフロントガラスを割ってしまうような事例もあります。
石に当たった衝撃のダメージで金属破片が飛ぶ危険性もあるので、小石が多い場所ではチップソーや金属刃の使用は控えた方が良さそうです。
ナイロンカッターならば石の飛散距離も少なく、金属片が飛ぶような危険性もありません。ハサミ刃も石の飛散がほとんどないことから、プロの造園業者にも利用されています。
バッテリー充電式草刈機に適した刃

バッテリーの消耗を抑えるため、充電式草刈機には重量が軽い刃が求められます。円盤の内部が肉抜きされている軽量モデルのチップソーを選ぶのがよいでしょう。
樹脂刃も軽量で負荷が少なく、障害物に当たった際に起こるキックバックも発生しない安全仕様なので初心者にもおすすめです。
なお、ナイロンカッターは機械への負荷が高くバッテリーの消耗も激しいため、充電式草刈機との相性はあまり良くありません。チップソーや樹脂刃を選ぶのが正解です。
草刈機の刃のサイズ
チップソーや金属刃などの円盤刃は外径230mmと255mmの2種類のサイズがあります。大きな刃ほど作業効率もあがりますが、エンジンやモーターに与える負荷も高まるため燃費効率も悪くなります。
高負荷状態での作業を続けると機械の故障の要因ともなるので、適切な刃のサイズ選びが重要となります。
18Vまでの充電式草刈機や25cc以下のエンジン式草刈機の場合は230mmのサイズを。36V以上の充電式草刈機や高出力のエンジン式草刈機には255mmの刃を装着することをおすすめします。

小径で軽量の刃を使えば燃費効率がアップします
刃の 外径 | 充電式 草刈機 | エンジン式 草刈機 |
---|---|---|
230mm | 18V以下 | 25cc以下 |
255mm | 36V以上 | 25cc以上 |
最強の刈刃おすすめ8選
チップソーの最強刈刃
津村鋼業 「F型ハイパー」刈払機用チップソー

津村鋼業の「F型ハイパー」は耐久性を追求した最強のチップソーです。「2段ロウ付け埋め込み」という特殊なチップの取り付けがされており、従来型より外れにくくなっています。
また「強硬岩石対応特殊チップ」を採用することによりチップの欠けが軽減、石の衝撃にも強い驚異的な耐久力を実現しています。
価格は少し高いですが、確かな性能を併せ持つ納得の商品です。
外径 | 刃数 |
---|---|
230mm | 36P |
255mm | 40P |
305mm | 48P |
三陽金属 「ブルーシャーク」刈払機用チップソー
「ブルーシャーク」は金物の町で有名な兵庫県三木市に本社を置く三陽金属の定番商品です。
シャークスリットという特殊形状によって小石を弾いてチップを守る構造となっています。刃こぼれが少なく、長く使用することができます。
外径 | 刃数 |
---|---|
230mm | 36P |
255mm | 36P |
金属刃の最強刈刃
津村鋼業 「笹刈刃」 ミガキ

笹やススキなどの茎が硬い雑草を刈る際には笹刈刃がおすすめです。津村鋼業の笹刈刃(ミガキ)は1.25mmと薄く仕上げられているので切れ味が抜群。
また、再研磨することで切れ味を持続させることができ経済的です。シンプルな構造であるため、刃先を交互に出して切断効果を高める「アサリ割り」というようなカスタマイズをすることも可能です。
外径 | 刃数 |
---|---|
230mm | 30 |
255mm | 30、40 |
280mm | 30、40 |
305mm | 30、40 |
津村鋼業 「切込3枚刃」 ブルー

小石の飛びに注意が必要ですが、抜群の刈り込み能力を発揮するのが3枚刃です。
特に「葛」をはじめとした「つる性植物」の刈り込み時でも絡みつくことがないので、スピードを落とすことなく作業を行うことができます。刃の厚みは1.4mmで耐久性もあります。
外径 | 刃数 |
---|---|
230mm | 3 |
255mm | 3 |
ナイロンカッターの最強刈刃
マキタ 「ウルトラメタルローラー4」

マキタの「ウルトラメタルローラー4」は取り付けが簡単。ナイロンカッターを試してみたい初心者にもおすすめしたい商品です。
軽量で持ち重り感も少なく、エンジン式草刈機やマキタの充電式草刈機に装着することができます。
山善 「フルオートナイロンカッター」 GA-01
山善のフルオートナイロンカッターは重量250gの小型軽量設計で、20ccクラスの小型エンジン式草刈機への装着が可能。
ナイロンコードが短くなると遠心力で自動的にコードが伸びるフルオート式で、使いやすいと評判です。耐久力は少し低いですが、その便利さからリピート購入する人も多い商品となっています。
充電式草刈機用の最強刈刃
マキタ 「DCホワイトチップソー」

マキタのDCホワイトチップソーは空気抵抗を軽減するD型抜穴と、切れ味良いのC型超硬チップが採用されています。
充電式草刈機専用にカスタマイズされており、薄型刃にありがちな「刃のブレによる振動」が少ないのが特徴です。
マキタ以外のメーカーの充電式草刈機にもおすすめです。
外径 | 刃数 |
---|---|
230mm | 36 |
255mm | 36 |
セフティー3 「超軽量」

藤原産業のオリジナルブランド「セフティー3」から発売されている「超軽量」は外径230mmのモデルで重量はなんと260gと非常に軽く設計されています。
機械への負荷が軽減される分、バッテリーの消費も少なくなり長時間の稼働が期待できます。
外径 | 刃数 |
---|---|
230mm | 36 |
255mm | 40 |
草刈り作業がつらい時は専門業者に依頼しよう

ここまで各シーンにマッチした最強の草刈機の刃を紹介してきました。適切な刃に交換することで作業の効率が格段にアップするはずですが、それでも広範囲の草刈りや暑い時期の草刈りは負担が大きくつらいものです。
もし体力に自信がなかったり、時間に余裕がない場合には、草刈りの専門業者に作業を依頼するのも一つの方法です。
工賃は発生しますが、プロの業者があなたに変わって作業をしてくれるので、足腰が痛くなったり丸一日作業に時間をとられることもありません。
優良な草刈り専門業者を探せるサービスを別記事にまとめていますので、そちらも参考にしてください。