セイタカアワダチソウは環境省が生態系被害防止外来種に指定している雑草です。
駆除の難易度が高く、対策に困っている人も多いのではないでしょうか。そんな人に向けて当記事ではセイタカアワダチソウの駆除方法について解説しています。
セイタカアワダチソウの性質や特徴を理解した上で適切な対応をとるようにしてください。
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セイタカアワダチソウはどんな植物?
セイタカアワダチソウは空き地や河川敷、道路端など、どこにでも生えている多年生の雑草です。
元々は北米原産の外来種で明治中頃に観賞用植物として持ち込まれたといわれています。以来、北海道から九州まで生息域を広げて今や日本の風景の一部として馴染んでいるほどです。
さすがに観賞用というだけあって秋に咲く黄色い花穂は美しいのですが、見た目によらず異常なほどの繁殖力を持つ「強害雑草」として忌避されることが多い植物なのです。
「強害雑草」セイタカアワダチソウは何が問題視されているのか?
セイタカアワダチソウが問題視される原因は以下のような理由があります。
- 繁殖力が強く土地が占拠されてしまう
- 前が見えないほどの高さに育つ
- 駆除が非常に困難
繁殖力の強さが問題
セイタカアワダチソウは繁殖力の強さが特徴的です。
彼らは地下茎や根からポリアセチレン化合物という化学物質を放出しており、他の植物の発芽や成長を阻害するという「アレロパシー作用」を用いて周囲の雑草を弱らせます。
そうやって他の雑草が弱っているうちに一気に土地を占領していくのがセイタカアワダチソウの生存戦略です。
グングン成長するパワーが問題
セイタカアワダチソウは4月から成長を始め、6月頃には1m前後に。開花期の10月頃には2mから3mほどの最大長に達します。
この成長力の秘密は地下部の根茎にあります。浅い土層に根茎を張り巡らせており、養分をたっぷりと蓄えているのです。
地上部の葉茎を刈り取ったとしても、地下に蓄えている養分を使い再生してしまいます。刈っても刈ってもまた生えてくるので、駆除作業が嫌になるかもしれません。
注意が必要なのは土を掘り起こしたり、反転させたりする「耕起」はなるべくしないこと。
根を切れば駆除ができるとに思われがちですが、セイタカアワダチソウは根茎断片からも発芽します。多数の根茎断片から発芽して耕起前よりも繁殖してしまう可能性があります。日本全国に広がっていった要因はこの辺りにもあるのでしょう。
セイタカアワダチソウを放置するとどんな問題が起こる?
高く成長し景観や視認性を悪化させる
セイタカアワダチソウは人が管理しなくなった空き地や休耕田、耕作放棄地、道路端などに繁殖します。
草丈は最大2mから3mほどに成長し密集して生えるので、放っておくと土地の見通しが悪くなってしまいます。景観の悪化だけでなく事故の可能性も高まってしまいます。
不法投棄の温床となる
草むらは何かを隠す絶好のスポットとなります。生い茂る雑草に廃棄物を投棄されても、しばらくは気が付かないでしょう。
犯罪者に「管理されていないから大丈夫」と思われる前に手入れが必要です。
害獣や害虫などの隠れ家となる
視認性の悪い草むらは、害獣や害虫にとっても身を隠すのに好都合な場所となります。近くに田畑がある場合は農作物の被害が。近くに住宅がある場合は人への被害が心配されます。
もしすでに被害があるならば、害獣駆除専門業者や害虫駆除専門業社に早めに依頼するようにしてください。
雑草の放置は近隣住民とのトラブルになりかねないので、早急な管理が必要です。特にセイタカアワダチソウの群生地は視認性が悪く問題が起こりやすいので注意しましょう。
セイタカアワダチソウの駆除方法
セイタカアワダチソウの駆除は非常に困難ではありますが、1〜2年かけての長期対策にて駆除が可能です。草刈りと除草剤の併用で「駆除」する方法と、草刈り作業のみで「抑制」する方法があります。
セイタカアワダチソウに除草剤は効果ある?
セイタカアワダチソウの駆除において、除草剤の使用は非常に有効な手段となります。
セイタカアワダチソウは地下の根茎に養分を蓄えており再生能力も高いので「根を枯らせる」ことを目的に除草剤を使用します。
したがって地上部の茎葉だけを枯らせるグリホシネート系の除草剤では駆除ができません。
駆除を行うには、根まで枯らせる効果がある「グリホサート」「アシュラム」「カルブチレート」といった除草成分が有効となります。
注意点としては、駆除を行う場所が作物を作る農耕地なのか、あるいは空き地や駐車場などの非農耕地なのかで使用できる除草剤が制限されます。
農耕地の場合は農耕地登録のある除草剤のみが使用可能。非農耕地の場合は無登録除草剤も使用する事ができます。
商品名 | 使用可能場所 | タイプ | 主要成分 |
---|---|---|---|
ラウンドアップ マックスロード | 農耕地& 非農耕地 | 液剤 茎葉処理型 | グリホサート |
アージラン 液剤 | 農耕地& 非農耕地 | 液剤 茎葉処理型 | アシュラム |
除草王 | 非農耕地 のみ | 粒剤 土壌処理型 | カルブチレート |
ネコソギ メガ | 非農耕地 のみ | 粒剤 土壌処理型 | カルブチレート |
セイタカアワダチソウの駆除方法
草刈り作業で駆除をおこなう
農耕地で除草剤を使いたくない場合は、草刈り作業を定期的に繰り返してセイタカアワダチソウの成長を抑制する対処方法となります。根を枯死させない方法なので、根絶はかなり困難であると考えください。
草刈機(刈払機)でも対応は可能ですし、面積が広い場所ならば作業負担を軽減するためハンマーナイフモアや乗用草刈機の導入も検討してください。
草刈り作業と除草剤散布を併用して駆除をおこなう
草刈り作業と除草剤散布の併用がセイタカアワダチソウの駆除には最も有効です。草丈が長い状態だと草同士が壁になってしまい、全体に除草剤が行き渡りません。
ですから草刈り作業で草丈を短くする必要があります。草刈り後数日で根に蓄えている養分を使い再生するので、その段階で除草剤を散布します。
グリホサート系の「ラウンドアップマックスロード」は除草効果が早く雨にも強い特徴があります。セイタカアワダチソウへ散布する際の希釈倍率は50倍となります。
アシュラムを主要成分とする「アージラン液剤」はキク科の雑草に有効で、根まで枯らす除草剤です。
遅効性のため散布してから枯死させるまでには時間がかかりますが人畜毒性や環境影響が少なく安心して使用することができます。セイタカアワダチソウへ散布する際の希釈倍率は20倍となります。
非農耕地では土壌処理型の粒剤除草剤を使用するとさらに駆除効果を高める事ができます。土壌に処理層を形成するので除草効果が長持ちします。
カルブチレートを成分とする「除草王」や「ネコソギメガ」は粒状の除草剤で希釈は必要ありません。そのまま撒くことができます。
セイタカアワダチソウの駆除対策に適した時期や季節
セイタカアワダチソウの駆除は時期や季節を考慮して行います。
3月から4月にかけての草丈伸長初期は気温の影響もあり薬剤が効きにくい時期となりますので対処は不要です。5月から本格的に地下茎の伸長が始まります。6月ごろには一度目の刈り取りを行うと良いでしょう。
除草剤を使うならば、この後数日後に散布を。草刈りのみの場合は10月までの間に最低2回は刈り込みを行なってください。
冬季に向けて土壌処理を行う場合は10月までに「除草王」や「ネコソギメガ」を散布すると効果が持続します。注意点としては11月以降には綿毛のついた種子を飛ばします。種子が飛散するまでに駆除対策を行っておきましょう。
手に負えない場合は専門業社に
セイタカアワダチソウは繁殖力が強く全国的に問題になっている雑草です。広範囲に土地を占領するので草刈りや除草剤処理も骨が折れる作業となります。
もし手に負えないほど広がってしまった場合は、草刈りの専門業社に依頼するのも一つの手段です。コストはかかりますが時間や労力をかけず、草刈り用の道具や資材を準備しなくていいのは大きなメリットでしょう。
見積もりだけならば無料なので、自分で駆除を行う場合と金額や労力を比較してみることをお勧めします。
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なお、当記事ではこちらの文献を参考にさせていただきました。「多年草雑草対策ハンドブック(伊藤操子著)」